モノローグ

いい年こいて

001-03

こんばんは、地毛です。

友人たちと同一のテーマ「髪型」でなんか書きます。

髪型について考えるとまず浮かぶ思い出があるので、今回はその事でも書こうかな。中学から高校3年の夏頃まで、わたしは分厚い前髪を自分でぱっつんに切りそろえていました。工作用の黄色いハサミで新聞紙を敷いて鏡に顔をくっつけて、月に1回くらいのペースでチョキチョキ。今となっては不思議なくらいですが、あれは確かにわたしのポリシーでした。

ぱっつんの始まりは今思うとなんともかわいい話です。当時中学一年生だったわたしには好きな人がいて、その人がperfumeかしゆかが好きだと話していたのです。あの頃わたしはショートカットで前髪を流していましたが、せめて前髪だけでもと思い生まれて初めて自分で前髪を切ったのでした。後ろ髪もその時から伸ばすようになりました。ちなみに彼はかしゆかみたいな子が好きとか、あの髪型がかわいいとか、そんな事は一切言っていません。言ったのは「俺、かしゆか好きなんだよね」だけ。ただそれだけのことなのに「かしゆかの髪型」はほとんど呪いみたいにずっとわたしの中に根付きました。

大学受験の頃にはわたしの後ろ髪は腰のあたりまで伸びていましたが、ある日バッツリ切りました。ボブにして、ショートにして…。一度切ってからは「かしゆかの髪型」の呪いは解けたらしく、大学入学の頃にはワンレンのショートボブに落ち着きました。真逆じゃねえかよ。

好きな人の好きなアイドルの真似をするなんてこと今じゃ恥ずかしくてとてもできないけれど、あの頃はいたって真剣だったなあ。彼の気を引く手段で思い浮かぶのがそれしかなくて、特攻隊みたいな気持ちで前髪を切った。あれから良いも悪いもあわさって経験を積んで色々と爛れてしまった今のわたしを見て、ぱっつんロングのあの頃のわたしはどう思うかしら、と顎より下まで伸びた前髪をとかしながら思うのでした。